墓地、その展望を探る
失礼ながら、その姿を想像しただけでおかしかった。
彼らは家事も互いに分担している。
月、水、金に妻が夕食を作れば、残りの火、木は夫が作るというように。
あるいは、夕食は妻が作るが、皿洗いは夫の仕事と決めている家庭もある。
「料理が出来ない男なんて、最初から問題外よ」仕事の後に会社の同僚たちとパブで飲んでいる時、どういう男が結婚相手として相応しいかという話題になった。
若くて美人のDがこう言い放った。
ふだんはおとなしい女性だったので、これはやや意外な発言だった。
私は聞いた。
「どんなにハンサムで、頭がよくて、仕事が出来ても、料理が出来なくては駄目かね?」「駄目、駄目。同じ屋根の下で一緒に暮らすからには、同じように料理も後片付けもやってくれなくちゃあアンフェアでしょう?」そうなのだ。
どんな場合でも「フェアかアンフェアか」という基準が、この国では何にも増して重要なのだ。
「フェア」を日本語にすれば「公平」だが、英語の「註丘という言葉には、日本語の「公平」という言葉以上に、きびしいニュアンスがある。
契約社会である欧米では、夫婦の間でも家事を分担することが「フェア」とされており、決められたことを守らない夫は、妻からきびしくなじられ、それが尾を引いて離婚にいたる場合もある。
「ところで、日本の男性はどうなの?」Dが聞いた。
「日本では、伝統的に男性が威張っていて、女性はそれに従っていると聞いたけど」「あははは。それはずっと昔のことだ。今は女性だってそんなにしおらしくないよ。でも、男性は家庭であまり料理や皿洗いはしないな。私もしない。中には料理が好きな男性もいるけど、一般的には、台所の仕事は女性の仕事ということになっている」「へえ、信じられない。それなら、私は、絶対日本の男とは結婚しないわ」イギリスの若者には、正式に結婚する前に、同棲をする人が多い。
互いに仕事をしながら、ひとつ屋根の下に暮らすのだ。
その場合、互いに若く、収入も少ないから、共働きでないと暮らしていけない。
彼らは互いの収入から、生活費を出し合って暮らしている。
当然、食事や掃除、洗濯など家事も等分に分担することになる。
それは女性の仕事、との意識はない。
正式の結婚とは違い、いつでも別れられる同棲にはある種の緊張感があり、男の方も料理や後片付け、そして洗濯に精を出すようだ。
若い頃のこのような習慣は、その後の家庭生活にも少なからず影響を与えているだろう。
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